2022年4月8日

こんにちは。王子教室の神田です。

４月に入りました。春期講習では、それぞれの課題に応じ、新たな学年に向けて準備を整えてもらいました。新年度の生活、まだまだ慣れない環境で緊張することもあると思いますが、

みなさんが楽しい毎日を送れることを願っています。

さて、今年度は高校生の学習要領改定の年です。２０１８年から移行段階であり、すでにいくつかの学校で実施されていることも多くありますが、大まかに以前との違いとして下記のような特徴が挙げられます。

・「情報」が必修科目（共通テスト受験の際科目の一つに加えられる）

・社会は「歴史総合」（日本史＋世界史）「公共」が必修科目

・英語は「４技能」（読む・書く＋聞く・話す）の学習を重視

・数学Cが復活

・国語は記述力の重視

例えば、歴史はいままで「世界史」か「日本史」どちらか片方を重点的に学習する生徒が多かったと思いますが、「歴史総合」では両方を均等に学習します。また、英語は（もうすでに始まっている学校が多いですが）「４技能」の習得のため、リスニング、スピーキングの学習に力が入れられ、またリーディングに関しても、より複雑な情報を読み取る力が求められています。ほかの科目に関しても学習の量、質ともに上がっているものが多く、改めてみるとなかなかタフな改革です。

これらの改変は、学生の皆さんにとっては負担であると同時に、充実した学習を経験する大きなチャンスであるようにも思えます。要するに

• 学生には、さぼらないでちゃんと勉強してもらおう。
• より実践的な力をつけるために、思考力を養おう。

こういったことを意図した教育改革です。しっかりと学校の勉強についていけば将来に役立つものになるでしょう。２０２０年の小学校・２０２１年の中学校学習要領改変も、この大きな流れに差異はありません。

・近年の指導要領の改変を受けて、王子教室での学習はどのようにしていくべきか、改めて考えをまとめてみました。

・どの学年においても、最近の学校の勉強はすこしずつ難易度が上がっています。大学受受験の共通テスト、または都立高校入試などでも、ここ最近では従来の方法で解くことが難しい問題がちらほら出てくるのを、指導の中でよく感じています。

そんな中では、以前にもまして大切だと思うことは…

やはり基礎力の「定着」です。

思考力を試すような「応用問題」を解くためには「基礎」が必須だ、という意見に異論はないかと思われます。昨今の教育改革の中で、この基礎力の「質」がとても大切である、と感じています。

文字通り基本事項が「定着」しているかどうか。

ここでの「定着」しているとは、必要な知識を瞬時に、特に苦も無く出せる状態にある、ということです。「ひらがなが書ける」「九九を言える」といったことと同じレベルで、学校で学んだ基本事項をすっと頭の中に描けるような状態。

例えば、

高校３年生なら「円の公式」をスラスラといえる、とか。

中学３年生なら「不定詞」の名詞的、形容詞的、副詞的用法の違いを説明できる、とか。

こういったことができて初めて基本が「定着」したと言えます。

脳の容量にはパソコンと同じように限りがあります。複雑な思考が進めば進むほど、頭の回転は鈍くなってきます。なるべく余計な思考を排除するために「公式」や「ルール」を知識としてパット出せれば、その分の余力を難しい問題の解決に費やすことができます。

「思考力」が問われる時代だからこそ、基礎の「定着」はやはりとても大切です。

もちろん、こういったことはひらがなや九九のように簡単に、あるいは自然にできるようになることではなく、ここまでもっていくには何度も反復することが必要です。

そして、反復で定着させる際の手段として、大切なことはしっかりと「書く」ことです。当たり前のことですが、面倒くさがる生徒が多いのも事実です。最近はipadなどの導入（よいことではあるのですが）により「書いて練習」する機会が減ってしまっていることもあります。やはり手を動かして、運動神経を使って学習することが、基礎力定着のためには大切です。

・こういったわけで、王子教室の大きな学習方針は

• 基礎学力の「定着」、そのための反復練習
• しっかり「書いて」学習

この２つです。

結局、大切なことは今までと大きくは変わらない、ということになりました。

もちろんこの学習方針を大切にしつつも、生徒一人ひとりの目標に合った学習方法を日々考えながら学習指導を進めていくつもりです。

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