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【南千住教室】9月②勉強を趣味化してみよう

2023年9月26日

こんにちは
南千住教室の鍵谷です。

9月も後半となりましたが、まだまだ半袖が大活躍な時期が続きますね。衣料品店では冬物もすでに登場していますが、冬物を手に取ってあれこれと考えをめぐらすのはもう少し先になりそうです。

ただ、お感じのことと思われますが、風が明らかに秋の到来を告げるようになってきました。夜に草むらから聞こえてくる虫の音も気持ちを秋へと向かわせてくれます。

ここで多くの人の頭に浮かぶ古今和歌集の名歌がありますよね。
そうです、コレです!

秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかねぬる(秋歌上169)

藤原敏行朝臣の有名な和歌です。
彼は三十六歌仙の一人でもある和歌の名手なんですね。
また、これと対になっている和歌があります。

袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ(春歌上2)

貫之も三十六歌仙の一人で、古今和歌集の撰者でもあります。古今和歌集には102首が選ばれています。

これに関連してですが、中学3年生の国語では、2学期に古今和歌集の仮名序を学習します。延喜5年(905年)4月18日に成立したとされる、醍醐天皇の勅命によって作られた最初の勅撰和歌集です。

やまとうたは、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。

で始まる文章です。
人の心から生まれるやまとうたを植物の種と葉にそれぞれたとえている名文です。教科書には和歌の力を4つ挙げたところで終わっていますが、本当はもっと長く続きます。

ちなみに古今和歌集にはもう一つの序文があります。それは、紀淑望(きのよしもち)の真名序(まなじょ)です。こちらでも和歌が植物にたとえられています。

夫(そ)れ和歌は、其の根を心地(ここち)に託(つ)け、其の華を詞林(しりん)に発(ひら)くものなり。

仮名序の冒頭と似通っていますよね。仮名序と真名序の関係はいろいろと学説があるようですが、これと定まっているところはないようです。平安時代の写本も多く伝わり、いろいろと謎が多く存在しています。

もっと調べてみると、いろいろと興味深いことがお分かりになるでしょう。教科書にはこのように知的好奇心を刺激してくれるものがたくさんあふれています。学校の成績も大切ですが、勉強はそれだけのものではありません。

定期テストが近くにない時期は、成績のことから少し離れ、教養という観点から教科書に取り組んでみてはいかがでしょう。勉強を趣味化してしまうのです。学問を究めようと決意したときの楽しさは、ゲームを究めようと思う時の楽しさとさほど変わらないと思うのです。