日本個別指導ブログ

【町屋教室】教員時代のこと(3)-業者テスト~墨田区立錦糸中学校

2022年6月3日

町屋教室の今関です。

錦糸中の6年目に公立中学校を震撼させる出来事が起こりました。埼玉県から始まった偏差値を使った進学指導の排除です。このお話をする前に、まず当時の中学校における相対評価について説明しなければなりません。現在の絶対評価と違って当時は「5」が7%、「4」が24%、「3」が38%、「2」が24%、「1」が7%と厳密に一人の間違いなくつけなければなりませんでした。各学校、それを記した「成績一覧表」を作成して、地元の教育委員会の審査を受け、間違いがなければ「甲種合格」、ミスがあれば校長先生の責任の下、再提出をし「乙種合格」をもらうというシステムでした。都立高校の合格判定に使われる内申:学力点(当日のテスト)の比は5:5でした。その関係があるので評定は厳密に管理されていたのです。都立高校は各学校の成績一覧表をチェックして合否判定をしていました。しかし、相対評価では地域によって差が出てしまう、もともと学力の高い学校では「5」を取るのが難しい、ある学校では「5」を取れる生徒が他の学校では「4」しか取れないという不公平さが起こる。これを学校格差のない公平な学力指標にするものが「偏差値」で、その数値を出すための「業者テスト」が学校現場で行われていたのです。私の転任した錦糸中の1年目の学年では、新教育(現Wもぎ)、進学研究会(現Vもぎ)の2種類の業者テストを授業時間内で実施していました。なぜ偏差値がと思われるかもしれませんが、当時、私立校の推薦は地域によって学力が異なってしまう評定(通知表の成績)は採用せず、偏差値の点数で合否を決めていました。点数が高い方のテスト結果を私立高推薦に使うためにこの学年は2種類の業者テストを実施するという裏技を使ったのです。生徒の進路のために。(以下、次週につづく・・・)